宮島未奈さんの婚活マエストロを読みました。
一度は意識したことのある婚活、またブログ運営者として…
わかりみが深い!
(もう表現古い…?)
と感じたので、完全自己満で感想を綴ります。
あらすじ
主人公は40歳独身の在宅Webライター、猪名川健人(いながわ けんと)。
彼が怪しげな婚活イベント会社「ドリーム・ハピネス・プランニング」の取材を始めることになるが、そこで出会ったのが「婚活マエストロ」と呼ばれる美人司会者、鏡原奈緒子(かがみはら なおこ)。
この出会いをきっかけに、様々な新しい出会いを経験し、健人の人生、考え方がどんどん変わっていく。
また、婚活参加者の個性的な登場人物もおもしろい。マルチ商法のひとがいたり、シニア婚活では頑固親父的なひとがでてきたり、婚活バスツアーでは健人も少し翻弄されるような自由な女性が出てきたり。
この本について

「婚活マエストロ」の舞台は
地元の人にはお馴染みのスポットも出てくるから読んでて「あるある!」ってなるはず。
作者の宮島さんは静岡県富士市生まれ、滋賀県大津市在住。
前作『成瀬は天下を取りにいく』『成瀬は信じた道をいく』では、滋賀を中心としたスポットがめちゃくちゃ出てきて、
なんと聖地巡礼がされてるほど。
アニメやドラマ、漫画の聖地巡礼は聞いたことあるけど、成瀬はこんなにも一気に人気が出て聖地巡礼されているからびっくりした。
膳所駅から(ゼゼカラ)、ミシガン号やときめき商店街、Oh!Me大津テラスのフレンドマートには成瀬のパネルも置いてあって、盛り上がりを見せてるそうですよ。
いつか成瀬に会えるかも、なんて考えてしまう(^^)
そんな成瀬シリーズが好きな人には、今回の婚活マエストロもおすすめ。
感情の揺れ動きを言葉で表してくれているから文書も読みやすくて、心が温まるストーリー。
途中、ハラハラ…というシーンもあるものの、全体的にはほっこり、しかしどこか自分を奮い立たせられる、やる気にさせられるような物語。
後味スッキリでもう一回読みたいな、と思える本。
婚活といえば『傲慢と善良』を読んだけど、婚活マエストロはシリアスな雰囲気ではないのでめちゃくちゃ読みやすい。パーティー主催者側の目線もおもしろいな。
感想
鏡原さんの人間性が素敵
この本の魅力は、鏡原さんの人間性を感じられることだと思った。
例えば、トークタイムで5分間を図るとき。
タイマーではなくストップウォッチを使うところ。
結婚するかもしれない二人の最初の5分をストップウォッチで測るのは、これからも永遠に二人の時間が続いてほしいという鏡原さんの祈り。
例えば、健人の行動に対しても、鏡原さんは自分の考えに固執せずに柔軟に健人の意見を取り入れようとするところ。
プロフィールカードを改定するときのこと。名前を書く欄は「お名前」ではなく「って呼んでね!」と提案したケントに対して、「発明ですね!」と言えちゃう素直さ。
私はそういう考え方をできる人でありたいと感じた。
ブロガーの共感ポイントが多い
健人がWEBライターなだけあって
その中でも一番共感した場面はこちら。
上位に浮かぶSEOばっちりなページを開くのは癪なので、2ページ目でくすぶっている記事をタップする。
婚活マエストロ/宮島未奈 221ページ
プチプラで贈りやすいとか、ラッピングがかわいいとか、シアバター配合とか、なんとか特徴を掴もうとするライターの苦労がうかがえた。
めちゃくちゃ分かる。私の行動を見られているのかと思うくらい分かる…!
この部分、ブロガーさんやライターさんは共感しまくれるんじゃないでしょうか?!
SEO対策バッチリのコピペまとめのような記事が、確かに直線的に答えにたどり着くから良いんだけど、「癪なので」という気持ちわかるわ〜笑
私もブログを書き始めてから、検索結果の1ページ目は飛ばすことが増えた。
なんとなく、飛ばしちゃうんですよね。なんでかと言われたら「癪なので」という結果に落ち着く。
ミシガンに乗る場面に感動
成瀬シリーズが大好きなわたし。
成瀬の話になりますが、公園で小学生に見せるため「膳所から世界へ!」と漫才を披露した場面で涙ぐみ、「え、そこ?笑」と友達に言われた。その場面めちゃくちゃ感動しました。
余談ですが、最近すぐ涙腺にくる…
30歳を超えたあたりから涙腺ゆるゆるになった実感があるのですが、人体ってそういう構造なの?30歳をすぎたら涙腺を緩める構造なの?
そんな成瀬シリーズでも登場した、琵琶湖観光船ミシガン。
婚活マエストロでは、婚活バスツアーのプランとしとミシガンに乗る参加者たち、そして健人。
どこかに成瀬いるのかな、そんな表現あるかな、と期待していたけど、残念ながら成瀬の姿は見えませんでした。
でもきっと、成瀬も元気にやっているんだろうな。
まとめ
宮島未奈さんの文章は、柔らかくて読みやすい。明るい雰囲気が漂っている感じ。
日常から逸脱しすぎない物語で、街の中でふと鏡原さんや健人に会えるんじゃ無いかと思うくらい。
鏡原さんのような素敵な人でありたいな、と思うことができた。
そして、何歳からでも変われる。40歳人生再始動の健人に元気をもらえました!
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